今回は5月26日,27日に行われた『平成大修理見学会』の様子について報告いたします。
改修工事が行われているのはお寺の中でも庫裏と呼ばれる所で、台所や客間など日常の生活を行う建物となっています。
宝福寺の庫裏は有形文化財として国に登録されており、建物を使いながら残していくことになっています。
文化財は歴史的に観て資料価値が高いとされるものです。
文化財の修理において意義がある点は、それらのつくられた年代を調べたり、そこから今までに何があったかを知る手がかりとなるということです。
写真上は、実際に使われている柱を並べたものです。
通常の文化財の修理では、歴史的資料として使える部分はできるだけ残すということがされています。
柱においても腐ったり傷んだりした部分だけ切り捨て、使える部分に新しい柱や他の箇所の柱を継ぐ手法がとられています。
しかし一番手前の柱は、水や白蟻により大きく腐食してしまっていました。
ここまでくると資材として残すことはせず、資料として別に保存するそうです。
写真下では床下の梁に「安政二年」などと書かれた150年以上前の改修工事したときの記録が、当時の大工の名前とともに残っていました。
こういったものを見ると、改めてこの建物が過去の多くの人と関わってきたものであることを感じました。