2012年6月19日火曜日 | ラベル:

『平成大修理見学会』の様子(3)




今回も5月26日、27日に行われた『平成大修理見学会』の様子について報告いたします。

宝福寺を改修していく中で、これ以前に行われた工事の跡が発見されました。

写真上では、壁をつたう梁の、ライトに照らされている部分だけが白く残っています。
ここは台所もある庫裏という建物で、本来であれば他の部分と同じように煤で木が黒くなっているはずです。
調べてみるとここは、写真の左に立っている柱が、かつて支えていた部分であるということがわかりました。
江戸後期に行われた宝福寺の工事で、奥の部屋を広く使うために柱の位置を変更したことにより、このようになったとのことです。

写真下の中央には、天井についている柱が切られたような跡があります。
ここも、部屋を区切っていた柱を切り、他の部分に使うことで部屋を改造した跡だそうです。

こうして改めて確認するなかで、建物自体が形を変えながら歴史を持っているということがよくわかりました。

--光森雅明 / 岡山県立大学大学院 デザイン学研究科1年