5月25日(土)、26日(日)に、宝福寺にて「寳福寺庫裏及び玄関及び食堂保存修理工事完成一般公開」が行われました。
2日間でのべ870名もの方が見学に来られたということで、多くの方の目に入ったことだと思います。
はじめに、庫裏の横の建物、方丈にて改修工事の概要についての説明がありました。パネル写真とパンフレットに合わせた説明でわかりやすく、私も横で何度も聞きましたがその度に納得してしまいました。
さらに庫裏では、工事に携わった大工の方から屋根や柱の工事について詳しい説明がありました。庫裏の柱には、新しい木とつなぎ合わせたものがいくつかあるのですが、それについての説明もありました。
そもそも改修工事では、柱の一本一本が貴重な文化財であるため、できるだけそのままの状態で残さなければなりません。古くなった柱のうち、虫に食われたり腐ってしまった部分だけを切り取り、新しい木を継ぎ補修します。その際、新しい木が古くなった柱よりも少し大きくなるようにして繋ぐのですが、これは今後木が痩せていって縮むことで丁度収まるように計算されてこの様になっています。今回の改修工事は実に約200年ぶりのことなのですが、今後も100年、200年先まで保つように考えられているのです。
庫裏の中は、殿司寮、大玄関、知客寮、仏間、旦過寮など、それぞれ役割のある部屋に分かれていて、中に入って眺めることが出来ました。庫裏の中は真新しい畳が香しく、障子の向こうから光が部屋に入っています。部屋の中では掛け軸や書画がいくつも見られ、禅寺らしい雰囲気に満ちているように思います。
今回は庫裏の改修工事完成一般公開とのことでしたが、今後も宝福寺の改修工事は引き続き行われます。2日間の間に来られなかった方も、今後このような機会がもしあれば、是非訪れてみるとよいかと思います。
また今回改修工事見学会に合わせて井山宝福寺webサイトに関するアンケートをお願いいたしました。ご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。
--光森雅明 / 岡山県立大学大学院 デザイン学研究科2年